2015/10/23 21:10

こんにちは!!

オーダーメイドレザーショップのHUMです。

以前にもこちらのブログでもお話ししたのですが、HUMで使用している栃木レザーは、
通称『ヌメ革』といって、わざと革の表情が残るような仕上げや染色がされています。

これは"薄化粧"という表現がわかりやすい様に思えます。
革は使っていくうちに自然な艶が生まれ、やがて赤みが出てきて飴色に変化していきますよね?

しかしどうでしょう、これがもし厚化粧されている革だとしたら、
革の変化が全て化粧の下に隠れてしまい、使っていてもただ化粧だけが無残に剥がれたり、
色あせるだけになってしまうのです。

しかし薄化粧にも欠点があります。

人間も人によっては肌の色が白かったり、黒かったりバラバラですよね...

牛だって一緒なんです。

(下の画像はお借りしました)

一頭一頭には必ずそれぞれのライフスタイルがあって、

いつも寝てばっかりの牛...
常に走り回っている牛...
あちらこちらにぶつかって傷だらけの牛...
虫に好かれて虫刺されの跡がたくさんある牛...

など...

みんなそれぞれに個性があるのです。
そんな個性豊かな牛の皮を革にして”薄化粧”を施した場合は、
当然の様に個体差が生まれてしまうのです。



薄化粧なので一枚の革の中でも写真のように筋がハッキリと出ている様な部分も当然の様にあります。

こういったヌメ革ならではの革らしい表情が好きな方もいらっしゃいますが、
HUMではさすがにここまで目立つものはご指定の無い限りは避けています...

筋や傷などはその部分を避けながら制作していけば良いだけなのですが、
一番厄介なのは、革の色味にも個体差があるという事です。

例えるならば、色白の人と、色黒の人を茶色の染料で染める実験をしたとしたとしましょう。

色白の人=薄い茶色、色黒の人=濃い茶色 

とこのような結果になると思います。

これは牛の革を染める場合でも同じことが言えますので、
ヌメ革の場合、同じ色を2枚注文しても、1枚は色が薄めで、もう一枚は濃いめ
なんてことが当たり前なのです...

同じ商品を何十個も在庫としてかかえながら販売している様な大型店などでは、
一つ一つ色味が違ってしまうと販売しずらくなってしまうので、ヌメ革の製品をあまり販売したがらないのかもしれませんね。

なので例えばお財布と定期入れの色を完璧に揃えて注文をしたいなどとお考えの場合は、
出来るだけ期間を空けずにご注文頂いた方が良いですよ。

下の写真はT様よりオーダー頂いたミニウォレットパスケースです。


同じタイミングで作品を二つ作る場合は、同じ革から制作できる為、確実に色を揃えることが出来ます。
注文の時期が離れてしまうと、同じ色をご指定頂いても革が変わると色味も多少変わってしまう可能性があるからです。

ちなみにこちらのミニウォレットはT様のご要望で、
コインケース部分を【10枚のカードが束ねて入るポケット】に変更しています。


カードの場合は飛び散る心配も無いので、あえて金具は付けておりません。
革が馴染んでくれば、革の癖で自然に締まるフタになっています。

最近はカスタム仕様でのご注文が増えております。
今回程度のカスタムであれば”お値段そのまま”でお受けしておりますので、
ご要望の際はお気軽にこちらまでご相談下さい。

HUM